2011年11月17日

YouTube動画が広告による収益化プログラムに認証されました

本日付で,当サイトのYouTubeアカウント(nucleararchive)が
Google AdSense(広告表示による収益化プログラム)の対象として認証されました.
これに伴いまして,今後当サイトのコンテンツは順次,収益化の手続きを進めていく事になります.
(この手続きは,1つ1つの動画に対して著作者としての権利を有する事を認証する
 必要がありますので,サイト運営者の余力に応じて順次進めてまいります.)


尚,この収益化後も,当サイトの全ての動画は引き続き無料で視聴出来ます

また,この手続きに伴いまして,当サイトにおいて
従来クリエイティブ・コモンズのライセンス形式を適用としていた動画
全て,順次YouTubeの収益化プログラムへ移行しますので,
クリエイティブ・コモンズライセンスの適用は撤廃となります.御了承下さい.
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2011年07月19日

偏差値と学費を比較して「お買い得」な私立医学部!?


私大医学部(医学科)の偏差値は学費と相関関係がある
つまり,「学費が相対的に安い私医の偏差値は高くなりやすい」
という話を聞いた事があり,もっともではあると思っていたのですが,
どの程度真実性のある話なのか,あらためてきちんと計算してみたいと思います.

学費その他の諸経費の計算については,やや繁雑な事もあり,
今回は「医学部受験ドットコム」内のページでまとめられている数字を
引用させて頂く事にしました.
http://www.igakubu.com/archives/53_gakuhi/index.html

※諸注意
今回扱う「学費」の中には,含まれていない
「これ以外の費用」が他にある場合があります.
特に,教科書代や通学経費などはほとんどの場合含まれないと思われます.
また,全ての計算の根拠は
単純に数値で表す事の出来る「学費」及び「偏差値」のみに頼っており,
例えば「医学部入試の難易度が実感レベルでどのようなものか」や
「割安とか割高などと言っても,そもそも高額な私大医学部の学費
 (全29大学の平均は約3373万円)を払える家庭は限られるのではないか」
といった,ごく当然の前提もほとんど考慮に入っていません.
これらの情報については,読者各自で
他の信頼出来る情報源を探して頂くようお願いします.




●計算の方法

「学費」については,上述の医学部受験ドットコム「学納金」ページに記載されている
「6年間の総額」の数字をそのまま利用します.

次に「偏差値」については,三大予備校(河合塾,代々木ゼミナール,駿台予備校)
が公表している数字を,単純平均したものを使う事にします.
尚,駿台模試の偏差値は2種類ありますが,医学部受験者層の動向なども考えて
ここでは「全国模試(ハイレベル)」の数値を採用しました.

そして,学費を変数x,偏差値をyとして,近似直線の式を求めます.
この計算はOpenOfficeがやってくれました.
式が見やすいように,学費は10万円単位としています.

求められた近似直線の式は,

y = -0.0366x + 76.1838

となります.

また,後で使いたいので,逆にxについて解いた形も求めておくと,

x = 2082 - 27.32y

となっています.

※ここで,統計数値の取り扱いに慣れている方などは
違和感を覚えられるかもしれません.
実際,理論的には本来の有効数字はせいぜい3桁であり,
それより下の桁には科学的意味はありません.
しかし,今回の計算で桁落としを精密に取り扱うと,
特に学費の「金額」における計算では膨大な誤差が発生してしまう事,
一方で,偏差値の数値においては,0.1以上の違いでさえも
受験者の立場で「果たしてどの程度の意味があるのか?」といった疑問点も
考えられる,等の事情を考慮して,
今回は「計算結果の数値が直感レベルで見えやすい」事を優先し,
その分だけ科学的正確性を犠牲にする方針を敢えて選択しました.



直線近似が本当に有効なのか?(=他の曲線等で近似した方が良いかもしれない)
と思われる方もいるかと思いますが,実際に数値をグラフにプロットしてみると,
下図のようになります:
igakuhi.png
この状況を見る限り,直線(線型)関係は「無くはない」と考えられる事,
また,他の曲線による近似はあまり良いものが無さそうだと思われる事から,
今回は上述の直線近似式を全面的に採用して,以下の解析を進めます.



●近似式に偏差値を代入して求めた「理想の学費」

早速,求められた数式を使って,
この偏差値なら本来このくらいの学費のはず」という
理想の学費」の金額を求めてみます.
※この「理想」という言葉には,数値計算以外の何らの意味もありません.以下同様.

大学名        理想の学費(万円)
慶應義塾大学      930
東京慈恵会医科大学  1690
順天堂大学      2350
日本医科大学     2350
大阪医科大学     2650
自治医科大学     2760
昭和大学       2760
近畿大学       2840
産業医科大学     3060
関西医科大学     3170
日本大学       3330
東邦大学       3380
東京医科大学     3440
杏林大学       3440
久留米大学      3600
愛知医科大学     3600
藤田保健衛生大学   3600
兵庫医科大学     3710
北里大学       3790
東京女子医科大学   3880
福岡大学       3880
東海大学       3930
岩手医科大学     3990
独協医科大学     4150
埼玉医科大学     4150
金沢医科大学     4260
帝京大学       4290
聖マリアンナ医科大学 4480
川崎医科大学     4480


計算式からも分かる通り,「偏差値が0.1違う毎に学費が約27万3千円変わる
という状況になっています.
偏差値で0.1というとさすがに誤差範囲でしょうが,
例えば「偏差値を1上げる労力(受験勉強)の対価が273万円相当と算出される
と考えてみると,大学(私大医学部)受験生の実感としては,いかがなものでしょうか?



●学費の「お買い得率」

次に,上で求めた「理想の学費」に対して,
実際の学費がどの程度割高または割安であるか,を算出してみます.
現実的な受験における選択の視点で見やすくする為,
偏差値及び実際の学費を併記しておきます.

大学名        得率  偏差値 学費(万円)
聖マリアンナ医科大学 30.2  59.8  3440
自治医科大学     22.1  66.1  2260
東京女子医科大学   18.2  62.0  3284
岩手医科大学     17.4  61.6  3400
東京医科大学     17.0  63.6  2940
順天堂大学      12.4  67.6  2090
久留米大学      11.8  63.0  3220
独協医科大学      9.2  61.0  3800
埼玉医科大学      9.2  61.0  3800
金沢医科大学      7.9  60.6  3950
関西医科大学      6.7  64.6  2970
東邦大学        6.3  63.8  3180
昭和大学        4.2  66.1  2650
福岡大学        2.9  62.0  3771
日本大学        0.6  64.0  3310
産業医科大学      0.4  65.0  3049
東海大学       -0.1  61.8  3932
川崎医科大学     -1.5  59.8  4550
北里大学       -2.6  62.3  3890
兵庫医科大学     -4.4  62.6  3880
愛知医科大学     -5.3  63.0  3800
藤田保健衛生大学   -5.3  63.0  3800
杏林大学       -7.0  63.6  3700
帝京大学       -12.8  60.5  4920
大阪医科大学     -15.6  66.5  3141
日本医科大学     -16.5  67.6  2813
近畿大学       -20.7  65.8  3580
東京慈恵会医科大学  -24.9  70.0  2250
慶應義塾大学     -61.8  72.8  2432



※「例外」の存在
この記事をお読みの方は既に御存知かと思いますが,
自治医科大学及び産業医科大学については,
学費の算出にそもそも「特殊事情」がある
という事を,念の為注記しておきます.
詳細は各大学の公式情報で確認して頂きたいと思いますが,
卒業後に医師としての勤務において一定の条件を満たした場合に,
自治医科大学は上の全額,産業医科大学は約1919万円が免除されます
(在学中は貸与扱い).
この免除を含めて考えると,
自治医科大学の「お買い得率」は理論上無限大(!)
となります.
また,産業医科大学のお買い得率は,上の数字+62.9%となり,
一気にトップに躍り出る事になります.


さて,上の例外2大学を別にして,あらためて表の数字を見ていきます.
私立医学部の6年間学費の平均が「約3373万円」であった事を思い出しつつ
実感レベルで考えてみて下さい.

まず,「お買い得率」が上位にあるのは
聖マリアンナ医大,東京女子医大,岩手医大,東京医大といった各大学ですが,
これらの大学の学費は,上の「平均額」と比べても,別に安くはありません.
では何がメリットなのかと言うと,「学費の割に偏差値(入試難易度)が低い
という点です.
即ち,6年間で3000万円以上の学費(無論,実際には他の諸経費もかかります)を
払えるという前提が成り立っているのなら,
ここでお買い得率が上位となっている各大学を選択すれば,
受験勉強の労力を最小限に抑えられる可能性がある,という事になります.
(「受験勉強」の方法次第では,予備校等のコストを抑えられる可能性もあります.)

また,これまでの数値には表れていない情報として,
昭和大学の医学部では,正規合格した場合に
650万円が免除
になるという制度が設けられています.
これを含めて計算した場合,昭和大学のお買い得率は上の数値+24.5%となり,
トップクラスのお買い得度を得る事になります.
しかもこの場合,6年間学費の総額は2000万円となりますから,
全私大医学部平均よりもかなり安くなります.

さて表に戻って,「平均よりも安くて,かつ偏差値から見てお買い得な大学
という条件から求めていくと,順天堂大学が目につきます.
偏差値からは決して易しくはないのですが,
学費の安さは昭和の正規合格とほぼ同等です
(実際,順天堂はこの学費に値下げしてから偏差値が上昇しました).

他にもこの条件に該当する大学はないものか…と順に見ていきますが,
昭和大学が正規以外でも多少割安なくらいで,他にはそれほど安い大学は見当たりません.
3300万円(平均)を払うのが苦しい受験者層は,おそらく既に相当数が
学費の絶対額が安い大学に流れ,偏差値を押し上げているのではないかと予想されます.


次は逆に,お買い得率が低い,言わば「お買い損」な大学(言い方は悪いですが!)を
見ていく事にします.

真っ先に目につくのは,慶應,慈恵医大,日医の「御三家」が筆頭に挙がっている点です.
この3大学はいずれも学費が平均より安いにもかかわらず,
「お買い損度」がかなり大きな数字となっています.
理由は明らかに,偏差値が高過ぎるからです.
おそらく,学費の安さのみならず,伝統や学閥などといった「ブランド」の力も
少なからず効いているのだろうと思われます.
あるいは逆に,冒頭で紹介した「学費が安い医学部の入試(偏差値)は難しい」という
風評を作り上げてきたのは,これらの大学の歴史であったのかもしれません.

他には,数字上はあまり明確ではありませんが(学費は若干安い程度),
西日本における受験者からの支持状況なども含めて考えると,
大阪医大もこのタイプに該当するのではないかと思われます.

一方で,偏差値が高騰しているというより
そもそも「学費自体が割高」(※あくまで数字上)と思われる大学もあります.
特に,近畿大学と帝京大学あたりが大きく該当します.

そこで,これらの大学に対して,地理的事情も考慮しつつ,
同レベル以下の偏差値帯でより学費が安い,他の私大医学部への「シフト」
を検討
してみますと,
近大は関西医大(差額610万円),帝京は聖マリ医大(差額1480万円)
あたりへのシフトがそれぞれ考えられます.
もっとも,偏差値の差はそれほど大きくないので
実際の受験時にその選択肢を持てる合格者がどれだけいるかは微妙ですし,
単純な学費以外の要素を加味した判断において,
上の「差額」が果たしてどれほど高いのか(あるいは安いのか)という事は,
また全然別の話なのかもしれませんが.



●学費から見た「理想の偏差値」及び実際の偏差値との差

最後に,冒頭の近似式に「実際の学費」を基準として代入し,
理想の偏差値」の数字を求めてみました.
冒頭で御紹介した「偏差値から見た理想の学費」の逆バージョンです.

大学名        理想  実際との差
順天堂大学      68.5   0.9
東京慈恵会医科大学  67.9  -2.1
自治医科大学     67.9   1.8
慶應義塾大学     67.2  -5.6
昭和大学       66.4   0.3
日本医科大学     65.8  -1.8
東京医科大学     65.4   1.8
関西医科大学     65.3   0.7
産業医科大学     65.0   0
大阪医科大学     64.6  -1.9
東邦大学       64.5   0.7
久留米大学      64.3   1.3
東京女子医科大学   64.1   2.1
日本大学       64.0   0
岩手医科大学     63.7   2.1
聖マリアンナ医科大学 63.5   3.7
近畿大学       63.0  -2.8
杏林大学       62.6  -1
福岡大学       62.3   0.3
愛知医科大学     62.2  -0.8
藤田保健衛生大学   62.2  -0.8
独協医科大学     62.2   1.2
埼玉医科大学     62.2   1.2
兵庫医科大学     61.9  -0.7
北里大学       61.9  -0.4
東海大学       61.7  -0.1
金沢医科大学     61.7   1.1
川崎医科大学     59.5  -0.3
帝京大学       58.1  -2.4



ひとまず理想偏差値の数字順に並べましたが,これ自体に大した意味はありません.
興味深いのはむしろ,実際の偏差値とのずれ度合いです.
偏差値から見た「お買い得度」を表していると考える事が出来るからです.

今回の数字でお買い得度が特に高い大学(+2以上)は,上から順に
聖マリアンナ(+3.7),岩手医科(+2.1),東京女子医科(+2.1)となっています.
逆に,偏差値的に「お買い損」な大学(-2以下)は
慶應義塾(-5.6),近畿(-2.8),帝京(-2.4),東京慈恵会医科(-2.1)
という順になっています.
おおよそ,「理想の学費」のところで見たお買い得率の順位と同様の状況ですね.
「お買い得」の意味の解釈についての注意も同様ですので,説明は割愛します.


他に興味深いと思われる数字として,
「学費免除を考慮した場合」の再計算結果を述べておきますと,
自治医科76.2(上の数字+8.3),産業医科72.0(同+7.0),昭和68.9(同+2.5)
となっています.
端的に表現すると,例えば「昭和の正規合格は偏差値2.5分の価値をもつ
といった意味付けが見てとれます.
これは無論,上述の「偏差値が0.1違う毎に27万3千円」にほぼ近い数字です.


また,国立医学部(6年間納入金約350万円)の理想偏差値を同様に計算してみると
74.9となっています.
この数字を,「全国の国公立医学部医学科の平均難易度」と考えれば,
おおむね妥当な数字と言えるのではないでしょうか.

更に,国公立大学を全国区で選んだ場合,自宅外通学となる可能性を織り込んで,
例えば下宿生活費が6年間で1000万円(毎月約13万8千円)として計算してみますと,
この分の金額が偏差値3.7に相当する事になります.
つまり,自宅から通えない国公立医学部であっても,
偏差値が71.2(=74.9-3.7)以下であれば「お買い得」
と考えられます.

とはいえ,慶應医学部の偏差値が72.8,慈恵医大が70.0である事を考えると,
そこまで入学が易しい国公立医学部医学科というのも,なかなか無い気がしますが…

逆に言えば,国公立医学部でAOや推薦などの入試方式が選択出来る場合,
もし合格を勝ち取れれば非常にお買い得度は高くなる
という解釈も出来ます.
決して全ての人が医学部を目指す必要はないと思いますが,
これまでに計算してきた程度の「利益」が見て取れる事を考慮すると
(例えば,国立推薦の難易度が偏差値換算で68程度だった場合,
 自宅外通学でもお買い得度は+3.2ですから,額面では約874万円の得になります),
新たに,またはより一層のモチベーションが出てくる方もあるのではないでしょうか.
posted by マヤ at 13:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 教育に関する意見・分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月13日

「早慶」と「上理」と「MARCH」の間

既に以前の記事でも御紹介させて頂いていました通り,サンデー毎日7.17号には
「難関私立大 現役進学者ランキンブ」なる記事が掲載されていたのですが,
「難関私立大」と言って,いわゆる「早慶上理MARCH」を一くくりにするのは
大学受験の難易度としての感覚からも,多少違和感がある気がします.

そこで,このランキング表に各大学別の進学者数が全て掲載されている事を利用して,
現役進学率を「早稲田+慶應義塾」「上智+東京理科」
「MARCH(明治+青山学院+立教+中央+法政)」
の3つに分類して,計算し直してみる事にしました.

但し,掲載されている全ての高校を対象とするのはデータ入力が大変なので,
「難関私立大現役進学率」が30%以上の高校を対象として,再計算を行いました.
その結果の中から,特に興味深かったものをランキング形式で以下お伝えします.



早慶現役進学率ランキング(15%以上の高校を抽出)

「難関私立大」全体の進学率ランキングは,既に雑誌でも抜粋されているので,
ここではまず「早慶進学率」に着目して並べ直してみました.


早稲田      60.0
女子学院     31.1
頌栄女子学院   29.7
浦和明の星女子  27.5
攻玉社      27.4
浅野       26.5
白百合学園    26.0
サレジオ学院   25.3
晃華学園     22.8
雙葉       22.1
渋谷教育学園渋谷 22.0
鴎友学園女子   21.3
世田谷学園    21.3
横浜共立学園   21.1
豊島岡女子学園  21.0
横浜翠嵐     20.9
穎明館      19.9
市川       19.1
東洋英和女学院  18.1
芝        17.8
江戸川学園取手  16.7
横浜緑ヶ丘    16.6
柏陽       16.6
湘南白百合学園  16.4
昭和学院秀英   16.2
栄東       16.2
国際       16.1
国際基督教大学  15.7
田園調布雙葉   15.0


1位の早稲田高校は早稲田大学の系属校ですから別格としても,
早慶への現役進学率が高い高校」というデータは,上のような展望となっています.
より多くの人が見慣れているであろう東大合格者数ランキングなどとは
また多少違った印象があるかと思われますが,いかがでしょうか.



「早慶上理/早慶」倍率(1.5倍以上の高校を抽出)

次に,多くの人にとって興味深いと思われるのは「早慶上理現役進学率」ですが,
当然の事ながら,この順位はおおむね「早慶現役進学率」と相関しているので,
これ自体を並べても,上の表と大差無い結果しか見えてこないと思われます.

しかしながら,「早慶上理」現役進学者数の合計が,早慶のみの現役進学者数に比べて
極端に多い高校を抽出してみると,その学校の進路特性がより浮かび上がってきます.
そこで,以下ではこの「早慶進学者数に対しての,早慶上理進学者数の倍率」を
ランキング形式で紹介してみます.


芝浦工大柏   2.58   早稲田16,慶應3(計6.8%),上智7,東京理科23
横浜国際    2.18   早稲田9,慶應8(計11.3%),上智19,東京理科1
薬園台     2.07   早稲田12,慶應2(計4.4%),上智6,東京理科9
香蘭女学校   2.00   早稲田3,慶應4(計3.9%),上智7
国際      1.90   早稲田20,慶應19(計16.1%),上智35
相模大野    1.86   早稲田5,慶應2(計3.6%),上智1,東京理科5
武蔵野北    1.75   早稲田10,慶應2(計5.0%),上智6,東京理科3
竹早      1.73   早稲田10,慶應5(計6.4%),上智4,東京理科7
船橋・県立   1.64   早稲田29,慶應10(計11.9%),上智12,東京理科13
帝京大学    1.64   早稲田16,慶應9(計10.0%),上智5,東京理科11
国分寺     1.63   早稲田22,慶應5(計8.4%),上智11,東京理科6
カリタス女子  1.58   早稲田12,慶應7(計9.8%),上智11
淑徳与野    1.55   早稲田22,慶應9(計7.4%),上智10,東京理科7
国際基督教大学 1.51   早稲田27,慶應12(計15.7%),上智18,東京理科2


一見して分かると思いますが,横浜国際,国際(東京都立),国際基督教大学など
外国語教育に重点をおいている高校から,上智大学への進学者数が多くなっています
また,芝浦工大柏は東京理科大学への進学者数で極端に割合の数字を上げていますが,
これも高校のカリキュラム特性の表れとみて間違いないでしょう.

上智に比べて理科大で「稼いでいる」高校があまり多く見られない点が気になりますが,
この点に関しては,今回のランキングが「現役」(浪人生の合格者は含まない)かつ
「進学者」(合格しても入学しなかった人は含まない)という前提で算出されている事が
効いてきている可能性も考えられます.

実際,東京理科大学の合格者ランキングで上位に名を連ねる高校のデータを参照すると,
理科大の合格者自体は現役でも相応に多いのですが,
進学する人の割合(歩留まり率)はあまり高くない
というのが実情です.

もっとも,上智も全体的な歩留まり率は決して高くないのですが
(おそらくその多くが国公立・早慶・浪人に流れているものと思われます),
こと,上のランキングに名前が出ているような国際系・外国語系の高校においては,
上智大学に現役合格した場合に実際進学する人の割合が高くなっています


尚,大学の定員自体は
早稲田大学17365人,慶應義塾大学10337人,上智大学5100人,東京理科大学14665人
ですから,「早慶上理」の合計定員は早慶のみの約1.7倍となります.
この数字との比較からも,上智・理科大が早慶に比べて
より多く「現役合格者に蹴られている」
事の一端が垣間見られます.



「難関私立大現役進学者」に占める「早慶現役進学者」の割合(50%以上を抽出)

さて最後に,今回の記事の本題とも言えるランキングを御紹介します.
この数字(筆者は「相対早慶率」と呼んでいます)は,現役進学者の中で
「難関私立大学(早慶上理MARCH)」に対する「早慶」の割合を計算したものです.


早稲田      95.9
女子学院     83.1
浅野       81.8
サレジオ学院   76.3
攻玉社      73.3
白百合学園    72.6
雙葉       65.5
晃華学園     64.7
浦和明の星女子  64.7
豊島岡女子学園  60.3
県立横浜翠嵐   59.8
渋谷教育学園渋谷 59.5
穎明館      58.5
芝        58.3
頌栄女子学院   56.8
世田谷学園    55.6
栄東       53.6
鴎友学園女子   52.1
江戸川学園取手  51.4


1位の早稲田は系属校ですから別格として,このランキングに出ている高校においては,
現役時に早慶以外は「そもそも受験していないか,合格しても蹴っている」
という可能性が高いと考えられます.
おおよそ,冒頭の「早慶現役進学率ランキング」に近い顔ぶれとなっていますが,
「早慶以外はちょっと…」という,現役在校生の空気が感じられる…でしょうか?

逆に,早慶ランキングに比べて今回の数値がさほど高くない高校の場合,
「早慶にも現役で多数進学するが,上智・理科大・MARCHにも現役で結構進学する」
という「校風」
をもっている可能性があります.
頌栄女子学院や鴎友学園女子,あるいはこの表ではランク外ですが
横浜共立学園(早慶現役進学率21.1%,相対早慶率46.3%)などが典型的です.
それでも「難関私大現役合格者の約半数は早慶志向」という事ですけれど.

尚,特にこの「相対早慶率」の数字に着目した場合には,
今回の調査の対象外(難関私立大全体の現役進学率が30%未満)の高校の中に
より大きな割合をもつ学校が見つかる可能性もあります.
(具体的には例えば,桜蔭:早慶現役進学率12.4%,相対早慶率76.3%,
 聖光学院:早慶現役進学率20.9%,相対早慶率81.0%,等)
但し,そういう高校になると,
難関国公立や医学部医学科に多くの合格者を出しているなど
「早慶でもちょっと…」という感じになっている可能性も否めないので,
今回は敢えて詳細な追跡調査は見送る事にしました.
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2011年07月11日

東大・京大・国立医学部≒甲子園レギュラー出場!?


偏差値でみた大学受験の難易度がどのくらいのものかという事を
感覚的に分かりやすくしてみたいと思い,
高校野球で甲子園(夏)に出場する難易度と比較してみました.
※ここでいう「難易度」とは,あくまでも人数割合でみた確率の数字の事です.

資料は以下及び各大学等の公式情報を参照しています.
今回述べた以外にも興味深い情報は多くありますので,各自計算してみて下さい.

学校基本調査-平成22年度(確定値) 結果の概要(高等教育機関)
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/kekka/k_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/21/1300352_2.pdf
平成22年度医学部入学定員の増員計画について
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/07/__icsFiles/afieldfile/2009/07/21/1282247_1_3.pdf
高野連部員数統計(硬式)
http://www.jhbf.or.jp/data/statistical/index_koushiki.html


●東大・京大・国公立医学部≒甲子園ベンチ入り

各大学の1学年あたりの定員は,東京大学が3111人,京都大学が2938人,
国公立大学医学部(医学科)が合わせて5315人となっています.
この内,東京大学の理科三類100人と京都大学医学部医学科の107人は重複しているので,
「東大+京大+その他の国公立医学部医学科」の合計定員は,11157人となります.

一方,平成22年度の大学入学者総数は619119人ですから,
上の人数を割合に直すと1.80%となります.
これをさらに,「正規分布表」に当てはめて偏差値を求めると,71.0と出てきます.
これは,大学入試の全国模試などの数字と比較しても,おおよそ近い値ですね.


次に,高校野球の関係者人数を計算します.
全国の高校の硬式野球部の人数については,高野連が登録情報を把握しています.
これによれば,高校3年次の野球部員総数は51984人となっています.

一方,夏の甲子園でベンチ入り出来る(≒レギュラー)人数は,
1チーム18人×出場49校=882人となります.
これを単純に高3野球部員の総人数で割ると,1.70%となります.
(通常あまりこういう表現はしませんが,あえて)偏差値で言うと71.2です.


つまり,
「大学受験生の中で,東大・京大・国公立医学部(医学科)に合格出来る人の割合」と
「高校野球部員の中で,甲子園でベンチ入り出来る人の割合」は,ほぼ等しい
のです!



●旧帝大・国立医・一橋・東工≒甲子園出場校野球部総員

次に,もう少し広げて,
北海道大学・東北大学・名古屋大学・大阪大学・九州大学(いわゆる旧帝国大学)
及び一橋大学・東京工業大学の難易度を人数比で求めてみます.
(これらの大学は「旧帝一工」などど総称される事もあります.)
定員は:北海道大学2686,東北大学2600,名古屋大学2265,大阪大学3489,九州大学2770,
一橋大学958,東京工業大学1128で,小計15896人となります.

これに上述の東大・京大・国公立医学部を加えると
(北大医102,東北医120,名大医107,阪大医100,九大医111の重複に注意して),
累計人数は26720人となります.割合で言えば4.32%,偏差値67.1に相当します.


一方,高校野球部の平均人数は40.8人なので,ベンチ入り以外も含めて
甲子園に出場出来る高校野球部の総部員数は,おおよそ40.8×49≒1999人となります.
これを割合に直すと3.85%で,偏差値では67.7となります.

甲子園出場校の野球部員でも,ベンチ入り以外の選手
スタンドで応援の指揮をとっていたりする姿がしばしば見られますが,人数比で言うと
旧帝国大学や一橋大・東工大の入学者数くらいの希少性
という事になる訳です.



●早慶・私大医学部は県大会決勝進出ボーダー,上智・理科大で県ベスト4以上

上の例ではまだ希少性が高いので,さらに広げて
早稲田大学・慶應義塾大学・私立大学医学部医学科の定員を見てみます.

内訳は,早稲田17365,慶應10337,私立医学部3171.
この中で,慶應の医学部112人だけ重複していますから,合計は30761人となります.

上の「旧帝一工国医」と累計すると,57481人=9.28%=偏差値63.2と求まります.
高校野球で言えば,各都道府県大会で決勝に進出出来るかどうか,といったところですね
(理論上,決勝進出チームの人数割合は3.85%×2=7.7%,等となるので).


また,上智大学の定員5100人,東京理科大学の定員14665人を加えると,
小計19765人,ここまでの累計77246人となり,
割合では12.5%=偏差値61.5となります.
高校野球の県大会準決勝出場(15.4%)よりはやや希少性が高い程度の数字です.



●その他の統計数値

これまで述べてきた以外にも,国立大学定員101310人,公立大学定員29107人で
合計130417人=21.1%,さらに早慶上理私立医を加えて175843人,
一方,偏差値55.0以上=30.6%=189350人,などといった計算結果もあるのですが,
このあたりまでくると,特に地方の国公立大学と
関東ならMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政),
関西なら関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館)といった大学との選択は
人によりけり(入試難易度=偏差値の数値と,進学先選択との相関が微妙になってくる)
の様相が濃くなってくるかと思われますので,「高校野球との比較」をしようにも
なかなかインパクトのある記述は難しくなります.

但し,この「偏差値55.0」ライン=人数比30.6%という数字は,
高校野球で言うと都道府県準々決勝(ベスト8)出場校の総部員数に相当
しますので,
その点は多少印象的かもしれません.



野球以外でも,競技人口の統計数値が分かるメジャースポーツ等なら,
同様の計算で「難易度の感覚」を比較する事は出来ると思われます.
もし他のスポーツ等で計算をされた方は,ぜひ結果のレポートをお願いします!
posted by マヤ at 19:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 教育に関する意見・分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月06日

大学受験で浪人生に回るという事

先に,センター試験の新課程移行(2015年1月から)について,
「現在高校1年生の人は浪人した場合影響がある」と述べましたが
http://nuclear-archive.seesaa.net/article/211203793.html),
実際にこの話を,現在高1の生徒さん及び保護者の方々にお伝えしたところ,
「じゃあ,是非とも現役で合格しなくては,という事ですね」といった反応を
大変多く頂きました.

それは一見ごもっともです…が,
現実には,「現役で大学に進学する」という事は,
「現役時の大学受験で成功したか失敗したかにかかわらず,合格したところに進学する」

という事を意味します.

それで満足するのか,納得するのか,という事を,まず考えてみて頂きたいのです.


公式のデータとして提示出来る情報が乏しいのですが(詳しくは後述),
筆者の知る限りでは,難関大学志望者が多い「上位進学校」においては,
現役進学率は50〜60%程度,あるいはそれを下回る高校が珍しくありません.
言うまでもなく,この種の進学校では大学進学率はほぼ100%ですから,
この数字は即ち,4割〜5割以上が浪人に回っているという事を意味します.

一方で,しばしば「二番手」と呼ばれるラインの進学校では,
むしろ逆に現役進学率がもう少し高くなっているケースも見られます.

これらは要するに,
「難関大学を目指す人ほど,『現役で受かった大学に進学する』のではなく
 『納得いく成果を目指して浪人する』選択をとっている」
という事の表れであると考えられます.


実際,筆者の指導経験においても,ほとんどの生徒が(少なくとも当初志望では)
国公立または早慶を第1志望としており,
そして,実際に受験して得られた「合格」結果が第3志望以下のみだった場合には,
全員が浪人するという選択をしています.

さらに細かく述べると,統計的には「明治大学で不合格だったら浪人」
というラインがおおむね平均となっています.
志望学部等にもよりますが,「MARCH未満だったら現役で進学しない」
というのが,1つの基準になっていると見られるのではないでしょうか.
もちろん,個別指導を依頼される層ですから,
進学に対する意識は比較的高い人達だと考えて間違いないはずです.


そこで,これらの経験的な情報を裏付けるために,客観的なデータを探してみました.

…ところが,進学校でも「現役進学率」を公表しているところは
かなり少ないのが実情です.
在校生向けの内部資料などにはもう少し詳しく書かれているのかもしれませんが,
そのような資料を多くの進学校について入手する事は困難です.

そんな中で,容易に入手出来た資料として,「サンデー毎日 7.17号」の
「500高校 難関大『現役進学者数』ランキング」がありました.

この資料の数字は「進学者数」なので,1人で複数合格している生徒が
数字を押し上げているような事はありません.

協力している進学校の数が多くなく(現役データ未集計の高校もある模様です),
開成など本来欲しい学校のデータがなかなか得られないという泣き所はありますが,
まずはこの数字をご覧になって,インパクトを感じて頂ければと思います:


(A)難関国立10大学
東京,京都,北海道,東北,名古屋,大阪,九州(いわゆる「旧帝国大学」),
東京工業,一橋,神戸

(B)難関私立大学
早稲田,慶應義塾,上智,東京理科(いわゆる「早慶上理」),
明治,青山学院,立教,中央,法政(いわゆる「MARCH」)

高校名   A  B  卒業数 (A+B)率
聖光学院  74 58 225   58.7
浅野    69 88 272   57.7
桜蔭    68 38 234   45.3
学芸大附  66 53 361   33.0
桐朋    53 72 323   38.7
浦和・県立 52 47 362   27.3
城北    50 95 370   39.1
千葉・県立 44 86 317   41.0
渋谷幕張  44 95 355   39.2
日比谷   44 82 333   37.8
女子学院  44 83 222   57.2
国立    42 74 322   36.0

(以上,前述「サンデー毎日」より,首都圏の学校を筆者が抜粋)


あえて端的に言いますと,上の表で「(A+B)率」と書いた割合「以外」の残りの人々は,
「MARCH未満に進学」or「浪人」の選択を迫られている可能性が高い,という事です.

もちろん,実際には例えば国公立大学をはじめとして
他の大学に「(偏差値ランク的にも)納得して」進学した人もいるはずです.
上の表で抜粋したのは首都圏の高校ですから,例えば
千葉,横浜国立,首都大学東京あたりですと,受験して合格した場合に
わざわざ「蹴って浪人」という人はそれほど多くないでしょう.

また,上の表では(A)に含まれる大学以外での国公立医学部医学科についての
進学者数が含まれていないので,医学部志向が強い進学校ではその分だけ
数字的には「不利」となる可能性があります.
しかしながら,国公立大学医学部医学科に「現役」で合格した生徒の数については,
15人以上いるのは桜蔭(30人)のみですので
(サンデー毎日増刊「完全版 高校の実力」2011年度版に所載の
 「国公立大学医学部医学科現役合格者数ランキング」より),
他の高校の数字にはそれほど大きな影響は無いとみて差し支えないでしょう.
#ちなみに,桜蔭は東京医科歯科,千葉,横浜市立,筑波など
#上表の(A)に含まれない近隣の国公立医学部にも多く合格者を出しているので,
#その分は本来あらためて計算したいところです(今回は資料不足のため割愛).


もし,「(全ての)国公立大学現役合格者数」のデータが得られれば,
(A)の代わりにその数値を使って同様に計算する事で,
より感覚的にインパクトのある数字が得られるのではないかと思います.

当サイトとしては本来,
偏差値による大学の序列化や優劣感を煽る意向は無いのですが,
現実的に指導経験からしても,
「●●高校を出て,国公立・早慶上理MARCH未満の大学に入るっていうのはちょっと…」
というご意見を耳にする事はしばしばあります.


いずれにしても,「この大学なら納得して進学出来る」というラインについては,
受験学年に入る頃までには一応考えておきたい事であると思います.

高望みをする事も決して悪くないと思いますが,現実的に考えて,
例えば現役進学率が50%だったら,「納得して進学する」事になるかどうかは
「コインを1枚投げて表が出る確率」と同じだという事ですよ?

ですから,「現役で行く」と言っている人は,
今すぐに10円玉を1枚用意して,投げてみて下さい.
裏が出たら浪人に回る可能性があります.


…容易にお気づきの通り,ここまでくると,ほぼ「運」に近い話だという事です.

ちなみに,この「コインを投げて云々」の比喩は,また別の理由から
大学入試における感覚レベルでの真理をも表しているのですが,
根拠となる統計資料が現在手元に無いので,
今回はひとまず「印象」にとどめておいて頂ければ幸いです.

また,序列意識等とは別にしても,
「偏差値XX以上の大学に合格する事が,統計数値的にどれくらいの希少性をもつか」
といった観点については,計算すればまた興味深い数字が出てくるのですが,
記事が長くなりましたので,別の機会に述べたいと思います.


posted by マヤ at 21:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 教育に関する意見・分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする